文学フリマ東京37の寄稿情報など
こんばんは。私=葉入くらむは今週土曜日に東京流通センターにて開催される文学フリマ東京37では3本の同人誌に寄稿しました。遠方かつ卒業研究が佳境にさしかかっていることもあり、私自身は現地参加できませんが、当日来られる方はよろしくお願いしますね。
先日投稿した「批評の書き方」記事でも作例として挙げた原稿が読めるのでぜひ同人誌の方も読んでください。
※件の記事は労作でしたが、思いのほか反響があって嬉しかったです。ツイートのブックマークが見たことない数になっていて、とても長文なので「あとで読む」に回されているのだと思いますが、私としても短期的に話題になるよりも時間をかけて読まれるつもりで書いきましたので、じっくり読んでいただければ幸いです。「ネットで書かれている断片的な情報をまとめてくれている」という反応もいただけましたが、まさに自分のもっているノウハウを結集するつもりで書きました。今回は2年ほど前に公開された2つの記事をメインに引用しましたが、また2~3年を経て若い方にアップデートしてもらえることを期待しています。
- 『カカリマカ・スマリカ』「コロニアの再生産として観る『オオカミの家』」
【告知】11/11開催の #文学フリマ37 にてカリスマがテーマのアンソロジー『カカリマカ・スマリカ』を頒布します。 小説や評論、エッセイ、漫画をごちゃまぜに収録しております。流通センター第2展示場Fホール「つ-36」にてお待ちしております。 A5判 60ページ 500円 pic.twitter.com/pvar9EcTsE
— インタース亭ラー@「カカリマカ・スマリカ」つ-36 (@dekasugiruebi) 2023年11月4日
出版サークル「インタース亭ラー」では社会人の方々と一緒に本を作っています。既刊では「鬱」「依存」を、新刊では「カリスマ」をテーマにした同人誌を作りました。私は寄稿のほか編集校正で参加しています。今回は原稿がなかなか集まらなくて苦労しました。入稿の前日に、まだ上がってない方と深夜まで通話して原稿を回収しましたが、ちょうど誕生日だったので日付を越えて届く「おめでとうLINE」にお返事しながら修羅場になってました。もう二度と経験したくないですね。こちらも労作なので、よろしくお願いします。
- 『蠟梅学園中等部一年 冬休みの宿題』「水上りり席順問題とはなんだったのか」
【お知らせ】
— 舞風つむじ (@maikaze_tumuzi) 2023年10月25日
11/11開催の文学フリマ東京にて『明日ちゃんのセーラー服』合同同人誌『蠟梅学園中等部一年 冬休みの宿題』を頒布いたします。冬服黒セーラーです。嬉しいね☺️
今回も色々ありますが、気持ちSS多めです。原作70話を読んでください。
どうぞよろしくお願いいたします。 pic.twitter.com/HyVyfuyYQa
去年も寄稿させていただいた『明日ちゃんのセーラー服』の合同誌です。今回は二次創作が多めらしく、私も趣向を変えて考察(作品内の謎解き)の記事を書きました。水上りりの席がおかしいというだけの話ですが、既存の仮説をまとめつつ、新説を提唱しています。
- 『映画大好きポンポさんトリビュート』「ポンポさんの映画化――アランの役割」
【告知】
— ペシミ / 佐薙概念 (@pessimstkohan) 2023年10月16日
『映画大好きポンポさんトリビュート』という本を、11/11に開催される文学フリマ東京37にて頒布します。場所は大阪大学感傷マゾ研究会「た-17」です。古今東西から集まったシネフィルたちによる珠玉のポンポさん批評、ぜひご鑑賞ください。#文学フリマ東京 #文学フリマ東京37 pic.twitter.com/wkg1sXzdGj
こちらでは『映画大好きポンポさん』劇場版のオリジナルキャラクターのアラン君について書きました。たしか前回の文フリで主宰*1の方に寄稿を依頼されて二つ返事で参加したのですが、うまくまとめられず〆切りをオーバーした思い出があります。(その節はすみませんでした。)
アランというサラリーマンに着目することで『ポンポさん』全体に蔓延する「創作者至上主義」みたいなものを相対化できたのではないかと思っています。
- (おまけ)『金沢大学映画研究会 部誌vol.9』
10月末の学祭で頒布した「金沢大学映画研究会部誌vol.9」では表紙デザイン・編集を担当しました。原稿が間に合わなかったので、『カリスマ』同人に載せた「オオカミの家」評を転載させていただけました。この都合でネットに無料公開するのはもう少し先になると思いますが、金沢市内なら手渡しで配布できます。
先日はDMをくれた金大生の方にお渡ししました。ショット分析やアニメ監督について雑談できて新鮮でした。
- (おまけ)批評同人「試作派」の構想
先日公開した「批評の書き方」記事のなかで、発表の場としての同人を作りたいと書きました。書き方を教えておいて発表手段を他の主催者に依存するのは無責任だと思いますし、プラットフォームを作っていくモチベーションも湧いてきたんですよね。私自身は大学時代はサークルに所属したおかげで発表の機会が確保できていたんですが、無事卒業すればコミュニティから抜けて宙ぶらりんになってしまうので、同じような書き手を集めたいです。大学サークルは豊富にあるけど、社会人になるとなかなか難しい。
現状の構想では、敷居が低くて新しい書き手が参加しやすい同人を目指していますが、同時に雑誌の質をいかにして担保するかが課題です。手厚い校正、ピアレビューで入稿前と後で原稿の質が上がるような仕組みを導入したいところです。また、既存の批評同人とどのように差別化するか、というメタゲーム上の戦略も最低限必要でしょう。最も敷居が低く、最も実験的な同人を作れるよう構想中です。
- (おまけ)近況報告
修士2年の秋ということで、卒業研究が忙しくなってきました。今日もゼミで修論のタイトルを提出しましたが、そこそこ形になってきていて、あとは良い実験結果がでれば完成しそうです。私の専攻分野はコンピュータがあれば完結するのですが、常に計算機を回しながら、次の実験の用意をするソシャゲのスタミナ管理じみた作業をしています。前期は先行きが不安でしたが、ここまでくると腹を括ってやるしかないので、研究にも身が入っております。正直それなりにこなせば卒業はさせてくれるので、途中で燃え尽きないように注意しつつコンスタントに進捗していきたいです。
実験の合間に本を読んでいるのですが、北村匡平『24フレームの映画学』が面白いです。ショット分析をメインにした批評なのですが、撮影方式と効果を丁寧に分析していて参考になりました。
そんなところです。今季アニメは『アンデッド・アンラック』に期待してます。
*1:ぺシミさん